製品情報――開先付き異形棒鋼NewJ-BAR

開先付き異形棒鋼NewJ-BAR(大臣認定品)

NewJ-BARの開発経緯及び従来杭頭補強筋の問題点

 従来の杭頭補強筋と鋼管とのフレアー溶接は、開先標準に適合しない粗い面での溶接となり、欠陥が極めて発生しやすい方法でありました。一方では、鋼管を使用した 基礎杭工法(鋼管杭、SC杭、鋼管場所打ち杭)が増えるにしたがい、鋼管との溶接部の健全性を高める必要性が生じ、現在の異形棒鋼を使用した杭頭補強溶接が問題視されておりました。
 更に基礎杭は高支持力でかつ杭径が小さくなってきており、杭頭曲げモーメントをフーチングに伝えるには、従来のD25、D29では、杭頭補強材の本数が大幅に増えてきているため、 施工上の配筋の難しさ、溶接工期の長さなどの課題が生じてきておりました。構造設計者が抱える諸問題を克服する、新しい杭頭補強材が要求されておりました。そのニーズに応じるために開発されたのが、開先付き異形棒鋼NewJ-BARです。

従来製品のフレアー溶接部

 鋼板と部分溶込み溶接接合する異形棒鋼を目指し、高い溶接性の化学成分と、高靱性で高強度の機械的性質を有するJ-BARは、以下のとおり大臣認定を取得しております。J-BARの用途は杭頭補強筋、鉄骨埋込み柱脚補強筋などであります。

  • 1-1.平成17年5月(MSRB-0029)

    2面のJ開先を有する異形棒鋼(WSD390 WD32、WD38)の認定取得
  • 1-2.平成22年7月(MSRB-0058)

    開先面に軽微な節を設け、付着性能と溶接作業性の向上を図り、サイズの拡張を行った認定( WSD390 WD32、WD35、WD38 )を取得
  • 1-3.平成26年2月(MSRB-0083)

    高強度化の社会的要請に応え、降伏点490N/o級の溶接用開先付き異形棒鋼(WSD490)の認定を取得
  • 1-4.平成28年10月(MSRB-0103)及び平成29年3月(MSRB-0108)

    更なる太径化の要請に応え、径41oまで拡張した認定(WSD490 WD41J)を取得
  • 1-5.令和元年12月(MSRB-0118,0119,0120)及び平成29年3月(MSRB-0108)

    更に、開先面に構成している微小な凸部を含め、JSSC溶接開先標準に適合しましたJタイプを取得(WSD390 WD32J〜WD38J, WSD490 WD32J〜WD41J)
  • 1-6.令和4年5月(MSRB-0129)

    WSD490 WD41J(北越メタル長岡工場)の認定を取得

開先付き異形棒鋼WSD490の特徴

  • 溶接を可能ならしめる高強度異形棒鋼

     開先付き異形棒鋼WSD490は、溶着金属量の低減に伴う経済性の向上と溶接割れなどの溶接欠陥の抑制に関して、極めて有効で信頼性の高いといわれる両面J形開先を圧延成型し、さらにJIS規格を遥かに上回る化学成分に調整して、溶接部の基準強度490N/mm2の大臣認定を取得した唯一の高強度異形棒鋼であります。
     なお、NewJ-BAR Jタイプは、(一社)日本鋼構造協会の溶接開先標準に基づき、ルート半径を許容値内(r=9±2mm)で大きくし、凸部を含む全ての切断面が溶接開先標準に適合する形状で性能評価を受けております。
  • 作業性および経済性

     NewJ-BARは、杭頭鋼管に直接溶接するため杭頭補強筋費と溶接費のみとなり、効率よく経済的な施工が可能となります。なお、経済性比較において他工法において必要な、カプラーおよび接合プレート等の材料費や取付け作業費などが不要となり、補強筋に転造ねじ加工する場合の断面欠損に伴う20%程度の本数増加等の要因もありません。
  • 溶接接合部の信頼性

     NewJ-BARは、節のない開先面を杭頭鋼管に直接溶接することにより、偏心曲げモーメントを小さくし、かつ、補強筋全断面が保有する強度を直接かつ確実に杭頭鋼管に伝達致します。
     NewJ-BARの杭頭接合部については、性能確認試験で短期許容耐力レベルおよび終局耐力レベルの確認だけではなく、その塑性変形能力が保有耐力接合を100%満足することも確認しております。
     従いまして、カプラーや接合プレートなどの偏心の大きい接合形式において必要とされる、基規準・指針等への適合の可否、荷重伝達の妥当性の確認や面外曲げモーメントに対する各構成部材の安全性の検証等をする必要はありません。
  • 定着体として必要な高靱性

     WSD490は、降伏比が80%以下、伸びが15%以上の製造規格により、定着体として必要な高い塑性変形能力を保有しています。

開先付き異形棒鋼NewJ-BAR(ニュージェイバー)とは

NewJ-BAR断面図 J形溶接部
NewJ-BAR断面・溶接部

種類の記号及び認定番号 棒鋼サイズ
WSD490(SD490相当)
MSRB-0129(北越メタル長岡工場)
MSRB-0119(北越メタル三条工場)
MSRB-0108(JFE条鋼)
WD41J(D41相当)
WSD490
(SD490相当)
MSRB-0120(北越メタル)
WD32J(D32相当)
WD35J(D35相当)
WD38J(D38相当)
WSD390
(SD390相当)
MSRB-0118(北越メタル)
WD32J(D32相当)
WD35J(D35相当)
WD38J(D38相当)
 WD25J(D25相当)は製造しておりません。

 開先付き異形棒鋼NewJ-BARは、健全な溶接のためにJSSC(日本鋼構造協会)の規格に適合したJ形開先を成型・溶接構造用鋼材と同等の成分調整をした異形棒鋼(杭頭補強筋)です。

 WD32J、WD35J、WD38J及びWD41Jの公称直径、公称断面積、単位質量、節の平均間隔、節の高さ等は、JIS G3112のD32、D35、D38及びD41Jと同じ規定値としております。
 製品長は自在に設定できます。


技術資料・パンフレット

種類の記号 化学成分(%)
C Si Mn P S C+Mn/6
WSD490 ≦0.26 ≦0.45 ≦1.32 ≦0.040 ≦0.040 ≦0.48
SD490 ≦0.32 ≦0.55 ≦1.80 ≦0.040 ≦0.040 ≦0.60
WSD390 ≦0.26 ≦0.45 ≦1.20 ≦0.040 ≦0.040 ≦0.44
SD390 ≦0.29 ≦0.55 ≦1.80 ≦0.040 ≦0.040 ≦0.55
【参考】SD345 ≦0.27 ≦0.55 ≦1.60 ≦0.040 ≦0.040 ≦0.50
WSD490の炭素当量(C+Mn/6)は0.48以下であり、一般の異形棒鋼SD345の0.50以下を更に下回る数値です。(JIS G 3112:2010)

NewJ-BAR利用のメリット

  • 溶接部の健全性の向上

     J型開先と化学成分調整により、初層の溶け込み品質が向上し、かつ溶接割れなどの溶接欠陥が抑制され、極めて健全で信頼性の高い溶接部を形成します。
  • 溶接部の品質管理を容易に

     有効のど厚はNewJ-BAR外端を基準に測定でき、確実な溶接管理が可能になります。
  • 溶接金属量の低減と溶接期間の短縮

     WD32Jの場合、Jグルーブ溶接は、フレアー溶接(D29)と比較して、25〜30%程度の溶着金属量の低減を可能にしますので、溶接費は低減でき、しかも溶接工期の短縮が可能です。
  • トータル・コストダウン

     太径・高強度のNewJ-BARの使用が可能になり、杭頭補強材の本数が大幅に縮減し、配筋の施工性の向上、溶接工期の大幅な短縮がなされ、トータル・コストダウンに寄与します。

NewJ-BARの価格

 鉄スクラップの価格動向及び異形棒鋼市場価格をベースにして、年2回、4月と10月に価格を改定しております。

NewJ-BARの溶接

 New J-BARは、材料の大臣認定であり、工法認定ではありません。
 New J-BARは、異形棒鋼を杭鋼管外側に溶接するという点では在来の工法と同じですが、在来工法のフレアー溶接とは異なり、部分溶け込み溶接です。NewJ-BARの部分溶け込み溶接はJ型開先を施したJグルーブ溶接となり、フレアー溶接よりも確実かつ迅速に溶接ができ、更に溶接部ののど厚の管理が容易です。なお、溶接の検査は、せん断力を伝達する接合であるため外観寸法検査が主となります。
 溶接手順、検査方法、溶接資格などに関しては、別紙施工要領書をご参照願います。

開先付き異形棒鋼の実績

 2005年に販売を開始しましたが、構造設計に関わる方々の信任を得て、販売件数は、約14,000件を超えております。本数としては、6,700,000本以上です。
 官公庁、大学施設、小中学校、病院、再開案件、住宅、高層ビル及び大型物流倉庫など、幅広く採用されています。
 販売区域は、北海道〜沖縄まで日本全国にわたっています。

製造区分

北越メタル叶サ造
WSD390 WD32J〜WD38J
WSD490 WD32J〜WD41J
(曲げ加工は、北越メタル鰍ヘ対応できます)

JFE条鋼
WSD490 WD41J
(曲げ加工は、JFE条鋼鰍ヘ対応できません)

NewJ-BARの取組体制

株式会社ブレイブ

  • 開先付き異形棒鋼の技術・販売を担当
  • 技術サポート及び杭頭補強溶接工事への助言
  • 構造設計一級建築士による杭頭補強構造計算協力及び杭頭補強材の提案(エスワン設計)(ウェブ上から依頼メール又はFAXで依頼
東京営業部
住所 〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目17-50 赤坂タワーレジデンス Top of the Hill 3605号室
TEL 03-6441-3065
FAX 03-6441-3066
mail j-bar@nifty.com

技術サポート

エス・ワン設計事務所 構造設計一級建築士
住所 〒381-2221 長野市川中島町御厨805-5
TEL 026-284-5042
FAX 026-284-5075
mail s-1sekkei@mbm.ocn.ne.jp

製造業者

北越メタル株式会社(WD32J〜WD41J)
加工品営業部
住所 〒940-0028 新潟県長岡市蔵王 3-3-1
TEL 0258-24-4540
FAX 0258-24-7743
Web 北越メタル株式会社

JFE条鋼株式会社(WSD490 WD41Jのみ)
鉄筋棒鋼営業部
住所 〒105-0004 東京都港区新橋五丁目11番3号
TEL 03-6381-5659
FAX 03-5777-3804